直請けとは?フリーランスエンジニアが直請け案件を獲得する方法と契約の注意点
直請けとは、エージェントや元請け企業を介さず、発注元の企業と直接業務委託契約を結ぶことです。エージェント経由・多重下請けとの違い、マージンの公開例、フリーランス法で発注者に課される義務、直請け案件の獲得方法を公式情報(2026年10月19日確認)にもとづいて解説します。
最終確認日:2026年10月19日
直請けとは、エージェントや元請け企業を介さず、発注元の企業(エンドクライアント)とフリーランスが直接業務委託契約を結ぶことです。仲介のマージンがかからない一方で、営業・契約書の確認・請求・入金管理をすべて自分で行います。エージェント経由の場合、マージン率を公開しているPE-BANKでは報酬額の10〜15%です(PE-BANK公式・2026年10月19日確認)。
詳細ガイド(全6セクション)
直請け・エージェント経由・多重下請けの違い
直請けは発注元企業と自分が直接契約する形です。エージェント経由はエージェントが発注元(または元請け)と契約し、自分はエージェントと契約します。多重下請けは発注元→元請け→二次請け→…と複数の会社を経由する形で、経由する会社ごとにマージンが差し引かれます。同じ業務でも、経由する会社が少ないほど自分の受け取る単価は高くなります。
直請けのメリット・デメリット
メリットは、仲介のマージンがかからないこと、発注元と直接やり取りできるため要件や評価が伝わりやすいことです。デメリットは、営業・条件交渉・契約書の確認・請求書の発行・入金管理を自分で行う必要があること、契約終了後の次の案件を自分で探す必要があること、報酬の未払いが起きた場合に自分で対応する必要があることです。
人脈・元同僚からの紹介
元同僚・元上司・以前の取引先からの紹介は、実績や人柄が先方に伝わっているため、直請けの入口として現実的です。退職や契約終了の際に連絡先を整理し、フリーランスとして受けられる業務内容を伝えておくと、相談につながりやすくなります。
SNS・技術ブログ・ポートフォリオでの発信
X(旧Twitter)・Zenn・Qiita・GitHubで扱える技術と実績を発信し、問い合わせ先を明記しておくと、発注を検討している企業から直接連絡が来る場合があります。成果が出るまでの期間は人によって異なるため、エージェント経由の案件と並行して続ける方法が無理のない進め方です。
コミュニティ・勉強会での繋がり
技術コミュニティや勉強会への参加でCTO・開発リード層とのコネクションを作れます。人脈経由の直請け案件は信頼関係があるため契約もスムーズです。
クラウドソーシング・直接契約型のマッチングサービス
Lancers・CrowdWorksなどのクラウドソーシングは、発注者と直接やり取りして受注する形です。単発・小規模の案件が中心ですが、継続依頼に発展するケースもあります。サービスの利用手数料がかかるため、条件は各サービスの公式サイトで確認してください。
直請けとエージェント経由の比較
直請けとエージェント経由の違いを、手取り・営業・契約・支払いの観点で整理しました。どちらが有利かは案件獲得の経路と事務作業にかけられる時間で変わります。
| 項目 | 直請け | エージェント経由 |
|---|---|---|
| 契約の相手 | 発注元の企業 | エージェント(エージェントが発注元と契約) |
| マージン | かからない | かかる(PE-BANKは報酬額の10〜15%と公開。多くのエージェントは一律の率を公開していない) |
| 案件探し・営業 | 自分で行う | エージェントが紹介 |
| 単価・条件の交渉 | 自分で行う | エージェントが代行 |
| 契約書の確認 | 自分で行う(雛形の用意を含む) | エージェントの契約書を確認 |
| 請求・入金管理 | 自分で請求書を発行し、入金を確認 | エージェントの締め・支払日にしたがう |
| 契約終了後 | 次の案件を自分で探す | 次の案件の紹介を受けられる |
※ マージンの公開状況はPE-BANK公式サイト(https://pe-bank.jp/)と当サイトの確認結果にもとづきます(2026年10月19日確認)。
直請けで発注者に課されるフリーランス法の義務
2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、フリーランスに業務を委託する発注事業者に義務が課されています。直請けでは発注元の企業が直接この義務を負うため、契約前に以下の点が守られているかを確認してください(公正取引委員会 フリーランス法特設サイト・2026年10月19日確認)。
業務委託をした場合、発注事業者は直ちに書面または電磁的方法(メール・SNSのメッセージ等)で取引条件を明示する義務があり、口頭での明示は認められません。従業員を使用する発注事業者は、報酬の支払期日を、給付を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間内で定め、その期日までに支払う必要があります。
エージェントや元請けを経由する再委託の場合は、条件を満たせば元委託業務の支払期日から起算して30日以内で支払期日を定めることができる例外があります。また、6か月以上の業務を委託している場合に契約を解除・不更新とするときは、少なくとも30日前までに書面・ファクシミリ・電子メール等で予告する必要があります。
※ 出典:公正取引委員会「2024年公正取引委員会フリーランス法特設サイト」(https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/index.html)。義務の範囲は発注事業者の従業員の有無や委託期間で異なります。トラブルは「フリーランス・トラブル110番」に相談できます。
実践的なポイント
- 1直請けは信頼関係が前提で、知人・元同僚・以前の取引先からの紹介が入口になりやすい
- 2取引条件(業務内容・報酬額・支払期日など)は書面またはメールで明示してもらう(口頭のみは不可)
- 3請求書発行・入金管理のツール(freee・マネーフォワード等)を活用する
- 4最初はエージェント案件をメインにしながら、並行して直請けルートを開拓する
- 5常駐で発注元の社員から直接指示を受ける働き方は、業務委託では偽装請負にあたるおそれがあるため、指揮命令の範囲を契約前に確認する
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